ハイキング・登山

風越山かざこしやま・ふうえつざん(飯田)

登山道途中から見た風越山の山容
登り始めの林道
重文の白山社奥宮Alpsdake, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia
矢立木
飯田市街地から見た風越山
本格登山
歩行時間 4時間半
レベル
所在地 南信/飯田市北西部
最高地点の標高 1535m
天気サイト
現地ライブカメラ
おすすめの季節 春~秋で,特に自生するベニマンサクの紅葉か花が見られる10月か11月初旬に登る人が多い。冬にアイゼンなどの装備をして登る人もいる。夏は、登山道は日陰が多いが、飯田は夏は猛暑の日も多く、標高が低いので朝が良い。

「信州百名山」の一つの飯田市の風越山は、上田市の太郎山や長野市の飯綱山のように、子供の時から遠足などで登る「市民の山」です。秋に登山マラソン大会も行われます。
中央アルプスの一部ですが、独立峰のような美しい山の形が飯田市街地からも見えます。

風越山は「権現山」という名前もある山岳信仰の山で、頂上手前には国の重要文化財の白山社奥宮があります。登山道にも、あちこちに地蔵や比丘尼びくに(尼僧)の住まい跡の碑があり、歴史を感じられるのもこの山の魅力の一つです。
「ふうえつざん」という読み方もある風越山の名前は、実際、「風越おろし」とも呼ばれる強風が山を越えるためです。

登山路は、写真のコースマップのようにいくつかありますが、神社の表参道で、初級者でも登りやすい「滝の沢ルート」をご紹介します。「滝の沢ルート」の駐車スペースが満車の時など、少し離れた「かざこし子供の森公園」奥の広い駐車場に駐めて登る「押洞おしぼらルート」を行く場合も、少し登った石灯篭からは同じコースです。

登山道はよく整備されていますが、分岐点の道標の記載がわかりにくく、特に下山で道を間違えると悲惨なので、コースマップの写真を見て確かめるなど、注意してください。
全体に直射日光が当たらない林間コースなのが嬉しいです。

なお、木曽にも風越山があり、そちらも登山できます。

!ご注意
「現地ライブカメラ」へのリンクは、お出かけ前に現地の天候状況などを知るのにお役立てください。ただし、山の天気は急変する事があります。
記載してある内容で事故などの問題が発生しても、当サイトでは一切の責任や賠償を負いません。記載内容の一部が古かったり正確でない場合も、管理している施設等に責任はありません。

歩行開始地点付近の地図

歩行開始地点までのアクセス

上信越道飯田ICまたは座光寺スマートICから約15分

  • どちらのICからも、出て少し下り、県道15号(三州街道)を走る
  • 丸山中央交差点を左折(飯田ICからの場合)・右折(座光寺スマートICからの場合)
  • 400m程行った交差点を左折
  • 300m程行った交差点を斜め右に曲がって、左に水路「滝の沢」のある細い道を上る
  • 400m程登ると突き当たるので右に折れると、すぐ「登山道」の木の看板と「専用駐車場あり」と書かれた案内板がある
  • 案内板に従ってさらに200m程上ると、左側に数台駐車できるスペースがある

公共交通  JR飯田線+徒歩かタクシー

飯田駅から登山口まで徒歩40分・タクシー10分

コース案内

登山道入り口~石灯籠~秋葉様分岐点(約50分)

 
駐車場と登山道入り口

駐車スペースの右に登山道の入り口があります。最初はジープなどが通れるコンクリートの林道です。
20分ほど歩くと、石灯籠があり、押洞ルートと合流します。
ここからは登山道になり、いきなりけっこう傾斜がある道をジグザグに登ります。

10分ほどで、上で紹介したコースマップの案内板が立っている「にが竹入口」があり、右の道をたどります。
5分程登ると、「蚕種石」があり、案内板にかつての養蚕にまつわる由来が書かれています。

さらに15分ほどガンバって登ると「秋葉様(秋葉大権現)」の石塔と地蔵があります。

秋葉様分岐点~延命水(約20分)

 
林間コースの広葉樹林の新緑

秋葉様分岐点から右に行くと、尾根伝いにある風越山の前山の虚空蔵山を登って風越山への登山道に合流します。時間的には同じぐらいですが、登りは左の林間コースを行くのがお薦めです。

ここから勾配が緩やかになり、登りの慣れた足には楽な行程です。
昭和天皇の御即位記念林など、植林された杉やヒノキの針葉樹林を右に見ながら行くと、また分岐点があり、右にたどると写真のような広葉樹林になり、左側の眺望が美しいです。

少し急な傾斜を登ると右側に「延命水」があります。

延命水~展望台(約50分)

 
延命水

延命水はパイプからチョロチョロと湧き水が出ているだけで、見た目はしょぼいですが、備え付けのコップで飲むと、冷たくてとても美味しく、まさに「命」の水です。
ここが最後の水場なので、喉を潤し、水筒にも水を入れていきましょう。

10分ほど登ると、「ベニマンサク自生地」があり、帰りに見ることにして先を急ぐと、比丘尼(尼僧)の庵があったと伝わる場所があります。こんな自然の厳しい山の中に住んでいたとは驚きです。

だんだん厳しい勾配になります。矢立木やたてぎという名前だけが書かれた不思議な大きな矢が立てられた地点を過ぎ、さらに登ると、展望台があります。

展望台~白山社奥宮~山頂(約40分)

ここからの眺望も素晴らしいですが、飯田市が整備した「新展望台」が200mほど先にあり、木を伐採しているため、飯田市街地や天竜川、その向こうに仙丈ヶ岳などの南アルプスが見渡せます。ここまで展望があまりなかったので、感激です。
風越山の山頂は眺望がないので、ここで腰を下ろして休憩しながら、じっくりと登山の醍醐味に浸りましょう。

展望台から10分ほどで「一の鳥居」と「駐馬巖(駐馬休み)」があります。かつて飯田城主が参拝のために馬で登ったがここからは馬では進めないため馬を駐めた(駐車のように「駐馬」)場所だそうです。木曽馬のような足の短い山も登れる馬だったのでしょうが、ここまでの急登を殿様を背負って登らされた馬に同情します。

この先は石段になっていて、両側の巨岩に驚きながら10分ほどまた登ると、重文の白山社奥宮です。
さらに20分、岩場をロープにつかまって急登を登ると、ようやく山頂です。

山頂~ベニマンサク自生地分岐点~虚空蔵山(オプション)~下山(約1時間45分)

 
看板と左のベニマンサク

山頂は、樹木に囲まれていて眺望はなく、立て札があるだけです。

帰りは、まず、ロープの急登を慎重に下ります。ベニマンサク自生地まで戻り、案内板を読み、左にあるベニマンサクの樹を観察しましょう。
ベニマンサクは、別名「マルバノキ」でその名の通り葉が丸くて可愛いハート型です。10月頃美しく紅葉してから11月初旬に面白い形の花が咲くという不思議な植物です。希少野生植物として県の天然記念物に指定されています。地元の中学校の校章や校歌にも登場する樹です。

来る時と別のコースを行きたい方は、3方向の分岐の一番左の道をたどると虚空蔵山こくぞうさん(1,130m)を経由して、秋葉様分岐点からは登ってきたコースを下れます。
虚空蔵山山頂からも南アルプスと飯田市街の眺望が楽しめます。

2024年5月5日登山時の情報です
2024.07.20 更新

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