福島原発事故で、政府や東電が言わないが、多くの人が知りたいのが「予測される最悪のケース」と、「放射線値ってどこまで上がったら避難すべきか」だろう。
原子核工学の同窓生が教えてくれたNPOのサイトで、その所長の人が、的確で現実に近そうなレポートを発表している。
最悪のケースの一つが「再臨界」。つまり、震災時に停止された核分裂が再度自発的に起きてどんどん高温になっていくことで、わかりやすく例えれば、火を消してくすぶっている燃料が再発火するような事態である。
12年前のJCOの「臨界」事故では、これで作業員が亡くなった。
再臨界が起きて首都圏や仙台などまで避難勧告、ということになると大パニックだ。
しかし、レポートを読むと、再臨界は起きにくく、起きても一時的なものにとどまり、核爆発やチェルノブイリ事故のような破滅的な事態は、「おそらく」避けられそうだ。
放射線濃度がどの数値になれば自主的に避難した方がいいのか(国に「何km以内は避難勧告」と決めてもらうではなく)、については、
・1000(妊婦や小児は300)マイクロシーベルトになれば、即脱出 = 赤信号。
・100(妊婦や小児は30)マイクロシーベルトになれば、脱出の準備 = 黄信号。
・10マイクロSv(妊娠初期の人で3マイクロSv)なら安心して良い(青信号)。
現在は、福島県内で原発から40kmで放射線量が高い地点でも、10マイクロSvなので、少なくとも福島県外なら青信号と言える。
その他、原発の風下100km以内の人が室内に退避すべき基準も書かれています。日本的なあいまいな表現を避け、このくらい、数値を使ってはっきり基準を示すようにすれば、「日本からの情報の不足」による海外での過剰な恐れがすこしはなくなると思います。
福島原発の最悪のケースと放射線値
お知らせ・その他2011.03.30