文房具屋「遠兵」の閉店

松本の江戸時代創業の大きな文房具屋「遠兵」が5億の借金を抱えて閉店
周りの人たちが言う言葉は、
・まず、必ず言うのが、「やっぱり」「だんだんスペースが減っていってたし」「バーゲンやって品物が減りぎみだった」
・その後で、「惜しい!」「東京の大きな文房具屋・画材屋に負けない品揃えだった」「あそこが無くなると、都会に出て東急ハンズとかに行くしかないのか」「子どものときは遠兵と(やはり倒産した)鶴林堂に通ったもんだ」
・そして「物は良かったけど、店番の人たちが愛想がなくて怖かった」
とどのつまり、老舗と品揃えの良さにあぐらをかいて、信州や松本の「殿様商売」「売ってあげる」という気質と時代の波についていけなかった、というところか。
良くも悪くも松本らしい店が、またなくなった。


文房具屋「遠兵」の閉店」への12件のコメント

  1. はじめまして
    中学生の頃は、近くに「文房具屋さん」が無くて
    よ~く通っていました。
    三菱の「UNI」って鉛筆が好きでわざわざ買いに行きましたよ、
    そのあとは千歳橋を渡って本屋さんへ。
    どちらも閉店で寂しい限りです。

  2. ご覧頂き、コメントありがとうございます。
    松本に30代に引っ越してきた我々でも寂しいのに、子どもの時に通った方々はさぞかし寂しいだろうと思います。

  3. 良くも悪くも松本らしい店・・・
    痛いご指摘ですね
    街に賑わいを取り戻そうと躍起になっている者は
    老舗が閉まった事実を前向きに捉えて
    プラスに転化できるようにしなくちゃなりませんね

  4. 松本はお役所の多い長野市と少し趣を異にして、民間意識が旺盛なところだと思います。お上には頼らないで自分達でなんとかしようとか。だから他より多少物価が高くても、地元の取引を大事にする傾向があるように感じられます。実際目抜き通りがシャターだらけのところに比べて、まだ松本はたいしたものです。
    でも鶴林堂と遠兵が無くなったのは寂しいですね。昔長野市に無い手帳を遠兵まで買いに行った記憶があります。

  5. hankoya さん
    老舗ということにあぐらをかいていると容赦されない厳しい時代だと言うことは言えますね。
    でも、ファンや惜しむ声は多く、競争相手は少なくなっているので、いい店で愛想がよければ、人は集まると思います。
    安藤文成 さん
    手帳を買いにわざわざ松本の遠兵まで来られたんですね。それを思うとより残念です。

  6. 鶴林堂が潰れたのは、鶴林堂の経営姿勢で潰れたわけではないと思います。
    鶴林堂に書籍をおろしていた日販という大手取り次ぎが潰したといった方が正鵠を得ているように思えます。
    書店はどこも厳しい営業が20年以上前から続いています。その中で書店の集中化を日販や東販などの大手取り次ぎ店が進めています。
    それでも地方の書店が生き残っているのは、その地方の文化の中心としての機能がそれなりに維持する努力をしているからです。その中で鶴林堂は営業成績は他と同じ程度に悪いが何故潰れたのか?
    鶴林堂は多くは売れないが質の高い書籍を購入して販売していました。
    (書籍は買い取りと委託で書籍の販売をしていますが、ほとんどは資本が少なくてすむ委託販売です。一部の出版社は買い取りを中心に発行していて、それにより出版物の質を高めている例もあります=I書店出版などのように)
    ここのところを調べると面白い(面白くない話ですが)原因が出てきますよ。
    このままで行くと地方の良心的な品揃えの書店はある程度大きくても、消えていく可能性が充分あります。そしてアマゾンや取り次ぎ直営のネット書店が栄える。
    そうなるとどうなるのか?
    少部数しか発行されていない書籍は、どこへ行っても手に入らなくなり、書籍文化=教養とか文化そのものが多様性を失い滅んでいくでしょうね。
    ネット書店で充分というグローバリズム万能主義的な考えでしたら何でもないことでしょうが、地方文化や少数文化、反体制的出版物が消えた世界はオーソンウェルズの描く世界より悪い世界になるでしょう。
    ですから、お願いですから「老舗にあぐらをかいた」という評価はなさらないようにお願いします。
    遠兵が消えたのは別の事情があるのでは・・・?

  7. 乗鞍山人さん
    コメントありがとうございます。
    遠兵が消えたのは、新聞では、ファッション関係の店が多くなっている時代の流れや、再開発でビルを建て直した時の借金の負担、ということが言われています。
    いろいろな要因があるでしょうが、巷で聞く「(他の店に比べても)愛想がない」ということも一因で、それは老舗だからかな?と思いました。品揃えは良くても、ホスピタリティやサービス精神が足りないと、今の消費者は足を運ばない(ネットや郊外で買う)と思います。
    鶴林堂は、店員の愛想は悪くなかったので、おっしゃる通りなんだろうと思います。また、ノッポのビルでフロアを移動しなければならないのも、郊外型のワンフロアの店に比べて、忙しい今の時代に合わなくなっていたのではないでしょうか。

  8. 鶴林堂にこだわって申し訳ないですが・・・
    鶴林堂が潰れた後、知り合いの書店に倒産の原因を聞いたところ・・・
    経営は他の書店並みに苦しかったけど、頑張っていた。
    梓川倭に支店を出したのは取り次ぎの指導に従ったため。
    いつもの通りに経営を頑張っているところに、ある日、取り次ぎが契約の打ち切りを通告して、即、取り次ぎの社員が大挙押しかけ、本店も支店も書棚にある書籍を全て持ち去ったため、営業が不能になり潰れざるを得ない状態に追いやられたとのこと。
    私はこちらに来る前は、その取り次ぎの下請けで仕事をしていましたので、取り次ぎ自身が厳しい営業状態だと言うことも知っていましたが、それでもやり方としては許せないと思っていましたので、つい書き込みさせていただきました。
    遠兵につきましてはほとんど行ったことがないので潰れた原因は分かりません。
    あくまでも鶴林堂についての惜別の気持ちです(結構中身の濃い良い本が置いてありましたので・・・。

  9. それは確かにひどいですね。
    言う通りにしていたのに、つぶされたってのは。
    大手の取り次ぎのひどい話はよく聞きます。
    Amazonとかが出てきて、取り次ぎ自体も時代の波に取り残されているんでしょうけど。

  10. 鶴林堂の閉店について一言。
    先代の社長がお亡くなりになられた時点で、
    後を継げるレベルの人材が居なかったことが最も大きな問題点だったと思います。
    後継者問題が発生した場合、
    先代がどのような時代に、どのような想いで、どのような方針で経営してきて今に至っているのか。
    それをキチンと踏まえた上で、
    後継者は何を残して何を新しく取り入れるのかを判断していく必要があると思います。
    また、効率だけを考えた経営では地方都市では成り立たないと思います。
    実店舗を閉鎖してネットや訪問販売に転化しようとして、結局閉店してしまったお店もありました。
    商店が生き残るかどうかは、
    ウチの店が無くなったら困るお客様がいるからお店を継続するって「想い」だったりもします。

  11. なるほど。
    後継者がいなくて残念ながら閉店、という店がだんだん増えていますね。
    地方では、効率だけでなく「想い」が大事というのも考えさせられます。

  12. 本町商店街には
    いつも酒臭い酒屋。
    ワン公がレジの上で買われている文具屋(現在伊勢町側にあり)。
    煙草を植木の根元にポイ捨てするはんこ屋。(条例で歩行禁煙だよね)
    目が合っても挨拶しない女専務のお菓子屋。
    お客より頭を下げない呉服屋。
    何十年もこの近所に勤めていたけどまともな店主の店は皆無だね。

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